FTMの意味とは?性別に悩む方が知っておくべき基礎知識と治療法
FTMとは?基本的な意味と特徴
FTMとは「Female to Male」の略称で、生まれた時の性別(女性)から、自分が認識する性別(男性)として生活することを指します。FTMの人の中には、ホルモン療法や手術を行い、社会的・身体的な性別を移行する人もいれば、医療的介入なしに自身のアイデンティティを確立する人もいます。
FTMの性別移行には、以下のような方法があります:
- ホルモン療法(テストステロン投与)による身体的変化
- 外科手術(トップ手術、内摘出、陰茎形成など)
- エピテーゼやバインダーを使用した外見の調整
FTMの治療法
FTMの人が選択できる医療的な性別移行の方法には、以下のようなものがあります。
1. ホルモン療法(テストステロン投与)
テストステロンを投与することで、以下のような身体的変化が起こります。
- 声変わり(低い声になる)
- 体毛・ひげの増加
- 筋肉の発達、脂肪の分布変化
- 月経の停止
ホルモン療法は、内分泌科や性同一性障害専門のクリニックで処方されます。
2. 外科手術(性別適合手術 / SRS)
性別適合手術(SRS)には、以下のような手術が含まれます。
2-1. 乳房切除手術(トップ手術)
胸の乳腺を取り除き、男性の胸の形に整える手術です。乳輪縮小や乳頭位置調整を行うこともあります。
2-2. 内摘出(子宮・卵巣摘出)
ホルモン療法を継続する場合、長期的な健康リスク(子宮内膜増殖症など)を避けるために、子宮と卵巣を摘出する手術を選択することがあります。
2-3. 陰茎形成手術(ファロプラスティー / メタドイディオプラスティー)
外見や排尿機能のために、陰茎形成手術を行う選択肢もあります。方法には以下の2種類があります。
- メタドイディオプラスティー(ミニペニス形成): テストステロンの影響で肥大した陰核を用いて、小さな陰茎を形成
- ファロプラスティー: 腕や太ももなどの皮膚を移植して、より大きな陰茎を形成
エピテーゼを活用した選択肢
性別移行をする上で、手術をしない場合や、術後の補助としてエピテーゼを活用する方法もあります。
- 身体的負担が少ない: 手術なしで、外観の調整が可能
- 用途別のエピテーゼ: 日常用、お風呂用、セックス用など選べる
- リアルな外観: 自然なデザインのエピテーゼも存在
性別移行に関連する費用と保険適用
性別移行にかかる費用は治療方法によって異なります。
- ホルモン療法: 月額1万〜2万円程度
- 乳房切除術(トップ手術): 約40万〜100万円
- 子宮・卵巣摘出(内摘出): 約40万〜100万円(開腹式は比較的安価)
- 陰茎形成手術: 約150万〜400万円
日本では、一部の治療は保険適用になる場合があります。
最新の法的動向:手術なしでの戸籍変更が可能に
2024年、日本で「手術なしでの戸籍変更」を認める判決が出ました。これは、戸籍変更の条件として「生殖能力の喪失を要件とする」ことが違憲であると判断されたものです。
これにより、性別移行を望むすべての人が必ずしも手術を受ける必要がなくなり、法的性別変更の選択肢が広がりました。しかし、具体的な手続きや適用範囲については、今後の法整備を注視する必要があります。
まとめ
FTMの性別移行には、さまざまな方法があります。ホルモン療法や手術、エピテーゼの活用など、自分に合った選択肢を見つけることが大切です。
性別移行に関するご相談は、専門医やカウンセラー、または信頼できるFTMコミュニティなどを活用することをおすすめします。