FTMの防災準備災害時のトイレ対策と立ちション用グッズ
いつもの使い方を、いざというときの備えにも。
災害時、避難先で使えるトイレが限られることがあります。使用できる小便器がある環境なら、立ちション用エピテーゼなどのSTPグッズは、立って排尿したい方の選択肢を増やす道具になります。
使い慣れた道具に、携帯トイレや衛生用品を組み合わせておくこと。この記事では、FTMの方が自分に合うトイレの備えを考えられるよう、STPが役立つ場面と、普段からできる準備をまとめます。
この記事の内容
災害時に変わる、トイレの環境
避難所では、利用する人数に対してトイレの数が足りず、待ち時間が生じる場合があります。普段使っているトイレと違い、個室の数や仕切り、手洗いの設備も場所によって異なります。

また、断水や排水設備の被害によって、便器そのものが使えなくなることもあります。内閣府のガイドラインでも、排水先が破損している場合は、水が確保できても水洗トイレの使用を中止する必要があるとされています。
大切なのは、避難先で実際に使える設備を確認し、その中から自分が使いやすい方法を選ぶこと。トイレの数や設備の整備は避難所全体の課題であり、個人の道具だけで解決できるものではありません。
参考:内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(2024年12月改定、PDF)
立ちション用グッズで増やせる選択肢
STPは「Stand To Pee」の略で、立った姿勢での排尿を補助する道具です。立ちション用エピテーゼもその一つで、体に当てた受け口から尿を便器へ導く仕組みを持っています。
使える小便器があるときに
例えば、個室は混んでいても、使用可能な小便器が空いている場合。普段からSTPを使い慣れていれば、小便器の利用も選択肢に入れられます。こうした場面では、個室を待つ以外の方法を選べることがメリットです。
一方、個室の方が落ち着いて使える方もいます。その日の体調や周囲の状況も含め、無理のない方法を選んで構いません。立って排尿できることを、備えの条件にする必要はありません。
携帯トイレとは、役割が異なります
| 道具 | 主な役割 |
|---|---|
| STP・立ちション用エピテーゼ | 立った姿勢での排尿を補助する。尿を受け入れられる、使用可能なトイレ設備などが必要。 |
| 携帯トイレ | 便袋や凝固剤などで排泄物を回収・保管する。製品に合った設置場所や、使用後の処理が必要。 |
STP自体には、排泄物をためたり処理したりする機能はありません。水洗トイレが使えない場合にも備え、携帯トイレは別に準備しておきましょう。
日常から使い慣れる道具をお探しの方へ
RISEの「JUN STAND」は、立った姿勢での排尿をサポートするエピテーゼです。普段から使い方を確かめ、備えの一つに加えたい方へ。商品ページでは、受け口の構造や使用イメージ動画をご覧いただけます。
使った後まで考えて、一緒に備える
道具を持ち出せても、使用後のお手入れや保管に困ると使い続けにくくなります。STPを備えに加える場合は、いつもの使い方を振り返り、必要な物をひとまとまりにしておくと準備しやすくなります。

| 備えておきたい物 | 確認すること |
|---|---|
| 携帯トイレ | 使用できる場所、必要な便袋・凝固剤の組み合わせ、使用期限。説明書も一緒に保管する。 |
| 衛生・お手入れ用品 | 手洗い用の水や石けん、紙類など。STPの洗浄用品は、製品の説明書で使える物を確認する。 |
| 袋・収納用品 | 使用済みの物と清潔な物を分けて入れられるか。排泄物用には、携帯トイレの説明書に合う袋を用意する。 |
| 自分に必要な物 | 予備の下着、生理用品など、普段必要としている物。人によって違うため、自分の生活に合わせて選ぶ。 |
携帯トイレは、回数で備蓄を考える
経済産業省は、トイレの備蓄目安を1人につき1週間で35回分としています。1日5回をもとにした目安なので、普段の回数や一緒に暮らす人数に合わせて調整しましょう。
これは1週間分の備蓄量の目安です。すべてを持ち出し袋に詰め込むのではなく、自宅に置く分と持ち出す分を、重さや運びやすさも考えながら準備してください。
参考:内閣府「ぼうさい」掲載・経済産業省「トイレ備蓄忘れていませんか?」
普段の練習を、備えにつなげる
STPの使いやすさは、体への当て方や姿勢、下着との組み合わせによって変わります。いざというときに初めて試すより、落ち着ける自宅で、扱い方を確かめておくとよいでしょう。

まずは製品の説明書を読み、汚れても洗い流せる浴室など、練習しやすい場所で試します。うまくいかないときは急がず、体に合う位置を確認しましょう。
慣れてきたら、いつもの下着やズボンで、取り出す・位置を合わせる・しまう動作を確認します。使うときだけでなく、持ち運びや取り扱いまで試しておくことが大切です。
使用後の洗い方、乾かし方、保管方法を説明書に沿って確認します。その際に使う用品を書き留めておくと、持ち出す物も整理しやすくなります。
避難先で必要な洗浄ができない場合は、無理に使い続けず、その場で利用できる別の方法を選びましょう。STPを使う準備と、使わない場合の準備を両方持っておくことが備えになります。
STPの種類や段階的な練習の進め方は、FTMの立ちション完全ガイド|STPデバイスの選び方と練習のコツでも紹介しています。
避難先では、設備と使いやすさを確認する
地域の避難所について調べるときは、場所に加えて、トイレや着替えに使える空間も確認しておくと役立ちます。東京都の「東京くらし防災」でも、一人ひとりに必要な物の備えや、避難先の設備の事前確認が案内されています。
- トイレの利用状況:個室や小便器が使えるか、使用中止になっていないか。災害発生後は施設の案内を確認します。
- 手入れと片づけ:手洗いや道具の洗浄ができる場所、使用済みの携帯トイレの出し方を確認します。
- プライバシー:一人で使えるトイレや着替えの場所、困ったときの相談先を確認します。
相談するときは、「一人で使えるトイレはありますか」「着替えができる場所を教えてください」など、必要な設備や希望から伝える方法もあります。自分の事情をどこまで話すかは、相手や状況に合わせて考えて構いません。
参考:東京都「東京くらし防災」88ページ
今日の備えは、小さな確認から。
携帯トイレの備蓄を数える。いつもの道具のお手入れ用品をそろえる。避難先の設備を調べる。できることを一つずつ確認して、自分に合う準備につなげていきましょう。
安心して使えるトイレや、必要な物は一人ひとり違います。RISEは、日常も、いつもと違う状況でも、自分に合う選択を考えるための情報を丁寧にお届けしてまいります。
よくある質問
災害時に備えて、STPを用意しておくべきですか?
立って排尿することを希望する方には、普段から使い慣れておく道具の一つになります。必需品というわけではありません。まずは携帯トイレや衛生用品など、自分に必要な備えを整えましょう。
断水していても、小便器は使えますか?
設備や被害の状況によって異なります。見た目だけでは判断せず、施設の利用案内を確認してください。使用を止めている便器は使わず、案内されたトイレや携帯トイレを利用します。
使い方に慣れるまで、どのくらいかかりますか?
製品や体との相性によって異なり、一律の日数では決められません。自宅で落ち着いて練習し、自分が扱いやすいと感じるかを確認してください。慣れない場合に使える別の方法も用意しておくと安心です。
使用済みの携帯トイレは、どう処理しますか?
まずは製品の説明書に従って密封・保管し、処分するときは自治体や避難所の案内を確認します。回収方法は地域や災害時の状況によって異なるため、普段のごみと同じ扱いだと決めつけないようにしましょう。
参考資料確認:2026年10月。本文のイラストは備えや設備のイメージです。実際の避難所・製品を再現したものではありません。